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駆け抜ける速度に差はあれど

「粘り強さと断固たる決意だけが何ものにも勝る。
“突き進め”というスローガンは、これまでもこれからも、人類の問題を解決する道となるだろう」
   ----- カルビン・クーリッジ
       (アメリカ人、第30代米国大統領、1872年7月4日生まれ)

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【イベント】

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すっごく前の日記もたまっているんだが。(恥)
これはできるだけすぐに書かないと、と思ってしまうのが、祝日イベントの記録なので。

ということで、今年のアメリカの独立記念日は、久しぶりにあのコンサートに行ってきたよ、という話。




San Francisco Symphonyが、毎年開いている屋外コンサート。
いつもならSFのホールで、威風堂々とクラシックを演奏している彼らだけど、この日・この時は南の空の下で、愉快なポップスからロックまで。
最後は花火で締めくくられるので、日が長い夏のこの日、コンサート開始は8時と遅めなの。

席は、スタンド席と芝生席があって、スタンドの方は席が決まっているから良いのだけど、芝生の方は早い者勝ち。
なので、早くから人が集まって、わいわいとピクニックがてらのお楽しみとなっている。
それでなくても会場の周囲は、公園や湖などの広いレクリエーションエリアであるので、そこにも早くから人が集まって、いずれ打ち上げられる花火を鑑賞しようと待っているんだね。


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会場の中に入れば、まずはお約束の飲食ブースがずらり。
早速ビールを買う旦那。


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キッズエリアにはいろんなゲームブースと、ステージの上ではショーと歌。
数年前に来た時には、食べ物ベンダーのブースがいっぱいで、色々試食ができたんだが、もうなくなっちゃったかな。それとも、別の場所にあるんかな。


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なんてうろうろしているうちに、すでに開演数分前。
席について、プログラムを見れば、今年のテーマは、

「Memories of Music ~ Hits through the Decades」

San Francisco Symphonyでアシスタント指揮者を勤める、Donato Cabrera氏が指揮。
1920年代から現在まで、それぞれの10年間を象徴する曲と共に駆け抜けよう、という企画だね。(勝手に解釈)
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まだ夕暮れほどの明るさの中、いよいよショーの始まりだ。
まずはお決まり、全員起立しての、米国国歌斉唱から。


Show Opener
Bernstein / Mambo (West Side Story)

団員の皆さんの、「マンボ!」という掛け声が入る、テンポの良いこの曲は、まずお客さんをノせるにはふさわしく。


1920s
Rachmaninoff / Theme from Symphony No.2 in E minor, Opus 27

なぜクラシックなのだ、なぜラフマニノフなのだ、20年代。
と言いつつ、このテーマは美しくて大好きなの。自分の曲が認められなくてクサってたというラフマニノフだけど、ちゃんと名曲として残ってる。
楽団も、自分達の本領(?)を披露できて嬉しかろう。


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1930s
Gershwin / Overture
Gershwin / Summertime (Porgy and Bess)
Karen Slack

待ってました、ガーシュイン大好き。
思えば、この30年代から50年代ぐらいにかけてのアメリカが一番好き。特に、音楽を含む文化面。
豊かなソプラノを聴かせてくれたカレンさんは、サンフランシスコ・オペラでも、この「ポギーとベス」のSerenaの役をつとめたそう。


1940s
Meachem (arr. Holcombe) / American Patrol

40年代といえば、スウィングだ。グレン・ミラーベニー・グッドマン。映画も両方観に行った。
何年たっても、幾つになっても、ほんとにこの頃の曲が好き。聴くだけで身体がうずうずしちゃって、はねる指先が止まらない。本当は一緒に演りたいよ。
ただ、大戦の最中だったという事実が、心に加える微かな影。


1950s
Cahn-Fain / The Second Star to the Right (Peter Pan)
Rachel York
Bernstein / Somewhere and Cool (West Side Story)
Karen Slack, Thomas Glenn

「ほら、あの星だ! あそこを右に曲がるんだ」
と、夜空を指差すピーターパンが浮かんでくる。(by ディズニー)
ボーカルのレイチェルさんは、「City of Angels」や「Les Miserables」、「Victor/Victoria」などなど、数々のブロードウェイミュージカルに出演した方。
今回のコンサートでは、3曲に渡ってご登場。

「ウェストサイド物語」で、男女のデュエットといえば、ついつい「マリア」が浮かぶけど、ここはシリアスな曲でお目見え。
堂々たる体格のカレンさんの横で、テナーをつとめたスリムなトーマスさんは、今年度のシーズンはサンフランシスコ・オペラにて、「Madama Butterfly」と「Janacek The Makropulos Case」に出演する予定だそう。


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1960s
R. Strauss / Sunrise (Also sprach Zarathustra)
Mitch Leigh / The Impossible (Man of La Mancha)
Brian Leerhuber

いつも思うんだが、この「ツァラトゥストラはかく語りき」って、この冒頭部分しか知らないまま。
映画「2001年宇宙の旅」、懐かしいなあ。映画館で3時間近く鑑賞したあの時、初めて途中休憩というものが入ったな。

朗々たるバリトンのブライアンさんは、ロサンゼルス・オペラ、サンフランシスコ・オペラ、そしてクリーブランドやオーランド・オペラとも共演。
ミュージカル史に残る名曲(勝手に)、「見果てぬ夢」を、素晴らしい迫力で歌ってくれて、マジで鳥肌が立ちました。
ああ、「ドン・キホーテ」が読みたいです。


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1970s
Joplin / The Entertainer
Bill Conti / Theme (Rocky)

途中休憩を挟んで再開した頃には、辺りはようやく暗くなり。
ステージ上のスクリーンがようやくはっきり見えるようになったので、ここからはその年代の”名物”画像も、駆け足で流れるように。
たとえば、芸能人とかイベントとか事件とか。発明品などもあれこれと。

映画「スティング」でおなじみの。軽やかなピアノバージョンも素朴で良いけれど、華やかなオーケストラも悪くない。
ロッキーのテーマを聴くと、ついついオノレの怠惰な身体を恥じて、ジョギングしに行かなきゃいけない気にかられるんだ……


1980s
John Williams / March (Raiders of the Lost Ark)

80年代といえば、ルーカス、スピルバーグ、ジョン・ウィリアムズ。(またまた勝手に)
仲間内で、ハリソン・フォードに大盛り上がりしてたもんだった。
くー、一回でいいから、インディ・ジョーンズの曲を演奏したかった。ちなみにお嬢は、ミドルスクールのブラスバンドで、トランペットでやったんだよね。(羨)


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1990s
James Horner / My Heart Will Go On (Titanic)
Rachel York

両手を広げて船首に立てば、ほーら、あなたもローズだよ。後ろにジャックがいたらなあ。(妄想中)
切なくも激しく歌い上げるレイチェルさんの声にのって、浮かんでくるのは数々の映画のシーン。


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2000
Stephen Schwartz / Defying Gravity (Wicked)
Rachel York

これこれ、これが一番聴きたかったの。ミュージカル「Wicked」で、舞い上がるエルファバに圧倒された、あの感動的な一場面。
素晴らしい歌声を聴かせてくれたレイチェルさんも、この曲が一番迫力があって、お客さん達は夢中で拍手した。

サンフランスシコでの最長ミュージカルとなった「Wicked」も、いよいよ9月5日で終了。なんで日にちを覚えてるかといえば、お嬢の誕生日だから。
なので誕生祝いを兼ねて、最後に観に行く予定にしてるんだ。


Show Closer
Brian Setzer (arr. Holocombe) / Rock This Town

軽快なロックで締めくくった後は、お客さんは総立ちの拍手を楽団に。
そして、その立ち上がったままに後ろを向けば、ドーン!という音を皮切りに、花火との競演に繋がるよ。


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オーケストラはそのまま、「インディ・ジョーンズのテーマ」を演奏。


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「America the Beautiful」が始まった時は、お客さんの合唱も始まるの。
だって、第二の国歌のような曲だもの。


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最後に演奏されたのは、「星条旗よ永遠なれ(The Stars and Stripes Forever)」 。思わず手拍子も始まっちゃう。
花火もクライマックスにさしかかって、いよいよまとめての乱れ打ち。

日本の花火が本当に芸術的である分、比べてしまえばアメリカの花火は、どうしても散発的であることは否めないけれど。
不景気を一番の理由として、毎年の恒例だった各市の花火も、続々と中止されているここ数年、たった1つのイベントで、これだけ打ち上げてくれるのは、やっぱりありがたいことだと思うんだよ。
会場外で、草地の上にシートや椅子で場所取りして、毛布にくるまって待っていた人達も、一年に一度と楽しみにしている行事だからね。
と、ペットが怯えて逃げ出したりするなどの、色々とある弊害には目を瞑る。ええ、自己中です。


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Happy Birthday, America。234歳の誕生日、おめでとう。
どうか今年も、健やかな一年でありますよう。

お嬢の友達と先生が、とある授業で、
「私達の政府は250年も続いた、素晴らしい国なんだ! いまや世界のOld Coutryの仲間入りをした!」
と称えていた貴方に向けて、
皇紀2,700年の歴史の国出身者から、心からのお祝いを申し上げます。


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San Francisco Symphony 4th of July Celebration
by senrufan | 2010-07-04 10:37


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