ただそこに在る事象 (5)

「努力することより、しないことの方が難しい」
   ----- ポール・マッカートニー
       (イギリス人、ミュージシャン、1942年6月18日生まれ)

* * * * *

【時事】

     frame20074224SIMG_0020

21日から、国際捕鯨委員会(IWC)の年次総会が始まりますね。
捕鯨に関しても、色々整理したいことが山積みで、この総会が終わった後、結論を見ながら、と思っていたのですが。
前回の日記に絡む部分があるので、やっぱりここで、ちょっと残しておこうと思います。


映画「The Cove」がアカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞を受賞して以来、お嬢は学校で、イルカ漁についてインネン(だよなー)をつけられたことが数回あるそうです。
話を聞くだに、いやもう、日本人全員が日々当たり前にイルカ漁に励んでるみたいじゃんソレ、という言い方。

しかしイルカの前に、何回か彼女が経験したのが、お嬢が日本人だとわかった途端に、捕鯨を非難してきたヤカラとの遭遇、でございました。
前回、この戯言シリーズの動機の一つは「原理主義」、と書きましたが、それは捕鯨についても、決して例外ではないようです。




捕鯨そのものについての個人的意見は置いといて。
加えて、各国の主張や利害は様々に入り組んでおりますので、その中でも傍迷惑な一派、ということにしておいて。

何が何でもそのままで、というのが大体原理主義の主張でありますから、当然鯨は一頭も捕ることは認めない。
頭の良い哺乳類だから、かわいそうだから、捕るなという。
日本の捕鯨量で、鯨が絶滅するようなことはありえないと主張しても、聞き入れられず。
提唱者であるアメリカに、じゃあエスキモーはどうなんだ、と言い返せば、あれは生活に必要なんだからいいんだ、と返される。

ところが数年前、この辺りの事情を記した文書が公けになったそうで。
ベトナム戦争で、ゲリラ対策の一つとして、枯葉剤を大量に散布したアメリカ。これのせいで、ベトナムの熱帯雨林が破壊されたとして、環境保護団体はアメリカを激しく非難していたのですが。
この矛先をそらすために、1972年、ストックホルムの人間環境会議の席上で、アメリカが提案したのが、日本の商業捕鯨の停止であった、という裏事情。
なんのこたーない、米国のお得意の情報操作でありました、という顛末。


残念なことは、これが「良くあること」と言わざるをえない、という点にあります。
とある側の利益をはかる為の情報操作、その術中にはまること。大多数の人が、日常的に抱える危険です。
捕鯨問題のような国際レベルのものから、TVでのお得情報まで、材料は数え切れないほど。
私もこのテのことは、穴があったら入りたい、切腹してから生まれ変わりたい、そんな赤っ恥だらけの過去ばかり……(滂沱の涙)

米国の操作が明らかになった時、果たしてどれだけの国や人が、捕鯨問題を見直すことになったのか、定かではありませんが。
アメリカで、オーストラリアで、声高に捕鯨を叫んでいた人達の中で、このニュースにショックを受けなかった人は。
自分で考える、自分で調べる、多角的な視野で検討する。こういった手順を経た上で、十分に納得して捕鯨に対する立場を決めた人なのでは、と考えることもできるでしょう。


     frame20074475SIMG_0015

「反対語」というのは、反対ではなく、実は「相互補完語」なのですよね。
善と悪、陰と陽、男と女、右と左……どれも、相手が在って自分も成り立つのであり、互いが共に立って初めて、一つの存在となりえるもの。

そうして出来た、一つの「円」を見た時に。
中心という、完全中立点に立つことは、人として何らかの背景を抱えている以上、それは在りえないし、その必要はないのですが。
円の中で、どの地点に立つか、それは慎重に選ばなくてはいけないでしょうし、立ちながらも常に移動できる可能性を持つべきものでしょう。

一旦立った後でも、常に周囲に目を配り。
立ちながら、その対極に立つ誰かがいる、ということを、常に念頭に置いていけたなら。
一地点に固執して、どの方角にも踏み出すことができない、どの方角もありえない、そんな風に思い込むことなくいけたなら。

自分一人では、円にはなりえない。百人いれば百通り。
何万回と自分に言い聞かせているにも関わらず、失敗ばかり繰り返し。
それでも、そうやって繰り返していくうちに、少しはマシになっていけたらいいなあ、と願っているから、こんなことを書いてます。つか、願うより努力しなきゃいけないんだぜオノレ。(呪文)


それにしても日本という国は、なにかとスケープゴートになりやすいというか、いぢめられっ子体質でありますなあ……
捕鯨しかり、中国の反日運動しかり、先日のTOYOTA騒動にしたって、もやもや色々ありますし。
今もまた、イランが日本バッシング。

 イラン:IAEA理事会で異例の日本批判

世界唯一の被爆国をなんだと思っていやがる、な発言ですが。
イランのこの批判の根源には、日本は米国追随一辺倒で、独自の外交イニシアティブがない、という怒りがあるそうで。
それは、過去何十年にも渡って言われてきたことでもありますね。

だから欧米流に、ガンガン自国の思うところを主張せよ、というご意見もおありでしょうけれど。
私個人としては、日本が美徳とするところを基盤にした、日本流外交術でいってほしい、と勝手に思ってたり。
んなこと言ってっから、スケープゴートにされちゃうんだよ!と叱られそうですが。捕鯨問題にしても、姑息な相手に対し、ただ真っ正直・地道に対峙しているように見えるので、余計につけこまれてしまうんですが。(身をすくめつつ)

でも、たとえば先日のモナコ提案否決の時に、そんな一端が垣間見られたように感じられたのは、あまりに希望に満ち過ぎでしょうか。それこそ、報道されたことしか知らないので、本当のところはわかりませんけれど。
ま、結局私も日本人で、日本人の美徳という観点から考えてしまうので、最後には馬鹿を見るー、なことになりかねませんけどねー。(開き直り)

なんにせよ、21~25日、IWCがどう動いていくか、個人的に目が離せません。
すでにこんなニュース(↓)が流れてるとあっては、もう応援するしかないですから!(涙目)

 日本が捕鯨同調票“買収” 英紙が各国高官の証言掲載
*-*-*-*-*-*-*-*-*

と言いながら、当分時事問題は書きたくありませんー。(ぐったり)(ヘタレ過ぎ)
ので、次回はまた食べ物系の記録でも。
[PR]
by senrufan | 2010-06-18 13:25 | Trackback | Comments(4)
トラックバックURL : http://senrufan.exblog.jp/tb/13482253
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
Commented by みちこ at 2010-06-20 18:16 x
こんばんは~
”捕鯨を非難”娘さんかわいそうにね。関係ないじゃないね!!
私の実家では、よく鯨が食卓にでたわ~
日本人って、結構プライドは高いけど自分の信条みたいのを見せないよね?!
アメリカもイギリスも、鯨って、ファッションか、油だけでしょ使うのって
日本は全て使うものね~。どっちが鯨をバカにしてるのかしらね!!
イランも何を言ってるのやら!
日本は軍隊が無いし、でも今の日本は過去から学んで軍隊が無いわけで~
アメリカの命令でもあったんだけどさ!沖縄の事もきっとアメリカの勝ちよね~
今の日本の政治家は、根性がある人がいない・・・寂しいわね~
Miyukiさ~ん。お疲れ様でした☆
次回の食べ物系。楽しみで~す^^
Commented by こっぺ at 2010-06-20 21:11 x
ますますみたいです、Cove。図書館で調べたら10本ほどありましたよ。みんな借りられてたんでHoldしましたが。
カレッジのESLに通っていたときに授業で捕鯨の話を読んだんですが、昔ヨーロッパではもうなめつくすように鯨をつかったそうですね。勝手にさんざん捕っといて少なくなったからやめましょうってあんた、ってそのとき以来思っています。
この間帰国したときに、新聞を読んだのですが、知識人ぽいひとが「海外でこんな恥ずかしい行為(なんだか忘れましたがエチケット違反とかそんな感じの)をしてるのは日本人だけだ」って書いてて、嘘つけ!と思ってしまいました。美徳の表れなんでしょうけどどうもいらんところで反省する習慣がありますね。私も含めて。
Commented by Miyuki at 2010-06-21 13:25 x
*みちこさん
日本人が少ない学校にいるので、矛先が向けられやすいんでしょうかね。色々経験してますよ~、彼女(笑)
私も学校給食で鯨が出たクチです。すごくマズかった……(涙)
でもおっしゃる通り、日本の鯨肉文化はすごいんじゃないかと思うです。
日本にいて、日本人気質を知ってる、というか信じてる我々からしたら、日本が核武装なんてありえないと思いますが、他の国から見たら、信じ切れないんでしょうね。自分達がそういう状況に置かれたら、核に走るお国柄だから。自分がそうだから人を信じられないんじゃないかと。
つくづく、日本って特殊な国ですよねえ……
こんなウザいタワゴトにお付き合いくださって、本当にありがとうございました!
Commented by Miyuki at 2010-06-21 13:30 x
*こっぺさん
ぜひぜひCoveを観て感想を聞かせてください! いつも鋭いこっぺさんのご意見をうかがいたくて、うずうずします。
そなんですよね、昔はアンタらだって!と胸倉つかみたくなったり(おい) ほんとに、こおゆう異文化交渉って難しいですよねえ。
おお、そのご意見、すばらしいです。人の目を意識する国民性ゆえ、自意識過剰になる傾向は確かにありますよね、日本。私もなんとかしなきゃいかんのですけどー。だから恥を怖れて、英語も上達しないし。誰もテメエなんぞ気にしてねーよ、って感じなんでしょうに(ため息)


<< 美味と効能は海を越え ただそこに在る事象 (4)’ >>