遠くへ

「勇気とは梯子である。勇気以外の美徳はすべてこの梯子を上る」
   ----- クレア・ブーズ・ルース
       (アメリカ人、作家・脚本家、1905年4月10日生まれ)



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作家・劇作家の井上ひさしさん死去

一番最近に井上さんの名を目にしたのは、「米原万里を語る」の中でした。
2008年9月、山形市に、シベールアリーナ&遅筆堂文庫がオープンしたのですが。
その時のオープニングイベントとして開催された「米原万里展」で行われた、講演や対談を1冊にまとめたのが、こちらの本なのですね。

そして、この遅筆堂文庫というものは、井上ひさしさんが蔵書を寄付した図書館でありまして。
更に井上ひさしさんの奥様・井上ユリさんが、米原万里さんの妹さんであり、井上さんは米原さんの義弟であった、というのは、多くの方がご存知のことと思います。
米原さんと同じく、がんとの闘いであったこと。ご家族2人をがんで亡くされたユリさんが味わわれた辛さは、私ごときの想像を超えたものであったのでは、と思います。


井上さんの著作は一部しか目を通していないくせして、氏のエッセイはとても好きで、ご本人の”語り”も好きで、そちらの方に惹かれて注目しておりました。
書かれた文章や、語られる言葉を受けとめるたび、日本語の美しさ、折り目正しい在り方を学ぶことができ。そして井上さんの謙虚な博識ぶりに、繰り返し圧倒されていたのです。

2年ほど前の冬、日本の実家に里帰りした際、母が見せてくれた番組がありました。
NHKの「100年インタビュー」という番組の井上ひさしさんの回を、私が喜ぶだろうと、わざわざ録画しておいてくれたのですね。

1時間半という枠の中で、教わったことはとても多いのですが。
その中で、こんな遣り取りがあったことを思い出します。

アナウンサーの、世界が明日終わるとしたら、どうしますか、という問いかけに対して、
「明日死ぬにしても、今日やることがありますから」
と答えていらっしゃいました。


今日やるべきことを、今日やりたいことを。
闘病生活においても、悔いのない毎日を過ごされていたことを、今更ながら強く願わずにはいられません。

心から、ご冥福をお祈りいたします。
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by senrufan | 2010-04-10 10:33 | Trackback | Comments(2)
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Commented by Vivian at 2010-04-13 03:24 x
私も井上ひさしさんの著書は何故かほとんど読んでいないです。「私家版日本語文法」と「吉里吉里人」を大昔に中途半端に読んだだけ。今改めて著書を検索してみたら「箱根強羅ホテル」という本を見つけ読んでみたくなりました。演劇にもなってるのですね。余談ですが箱根はmy favorite placeです。
Commented by Miyuki at 2010-04-13 12:07 x
*Vivianさん
昨日はいろんな古本屋サイトを巡って、井上さんのご本を探しておりましたー。
「箱根強羅ホテル」、私も知りませんでした。実在してそうな名前だなあ(笑) 箱根は楽しいですよね! いろんな楽しいところが、ぎゅっと詰まった場所だと思います。


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