人気ブログランキング | 話題のタグを見る

甘く、優しく、穏やかに (その5)

「人は思考という重労働を避けるためだったら、どんな策を講じることも厭わない」
   ----- トーマス・エジソン
       (アメリカ人、発明家、1847年2月11日生まれ)

* * * * *

【雑事】

     DSCF2071

帰ってきました、佐藤さんです。(隠語)(by マミィさん)
誰も待ってない、佐藤さんです。

前回の記事の日付(2008年7月)を見て、思わず意識を失いそうになったことはさておいて。
あの時点で「あと2回」などとほざいていたのですが、色々思うことが増えて、方針転換を余儀なくされたのでございます。誰も気にしてない、そんな事情。

なので、とりあえず甘いもの関連の何かがあった時に、ご登場願うシリーズっぽく。
そんな感じでお付き合いいただければ、と思います。ぺこり。


さて、画像は、先日焼いたクッキー2種類。
なかしましほさんのレシピで、たまごぼーろ(左)とアーモンドマコロン(右)です。
卵が1個だけ余っていたので、卵白1個と卵黄1個をそれぞれ使うクッキーを選んだのです。

しかし、ぼーろはともかく、マコロンの方は、別にココアは入ってません。
なのに、なぜこうまで茶色いの?
その答えは、今回初めて使った砂糖、Palm sugarにありました。

ということで、今回のテーマは、「あなたも私も佐藤さん」。何の説明にもなってません。
雑誌にのっていた記事のご紹介です。




*-*-*-*-*-*-*-*-*

[白砂糖に代わる甘味料について]

年齢を問わない”肥満”が、いまや国家的問題となっている米国。
砂糖だけでなく、シリアルから調味料に至るまで、砂糖を含んでいるであろう食材全てに気を配る必要が出てきているのです。

精製された白砂糖は、味以外に挙げるべき利点がありません。繊維もミネラルも、たんぱく質、脂肪、酵素もない上、GI値は65と高い食材。
次回、砂糖が材料にあるレシピを手にする時は、白砂糖に代わる甘味料を使う、という実験はいかがでしょうか。
カロリーが少なかったり、血糖値へのインパクトが穏やかであったり、各々の特徴があります。
ただ、忘れてはならないのは、どんな甘味料であろうとも、適量を楽しむことが大事、ということです。(自戒度128%)

以下、甘味料ごとの、
①内容
②身体への影響
③用途
④使い方
の基本情報です。


1. Agave nectar (アガベシロップ)

①金色、もしくは焦げ茶色の液体で、blue agaveの樹液を煮出したものから作られる。
 ハチミツより粘り気がなく、メープルシロップより濃い。強い甘味があり、結晶化しない。
②GI値15(フラクトース92%・グルコース8%)。
 白砂糖小さじ1が15カロリーであるのに対し、アガベは20カロリー。
③スムージーや飲み物類、ドレッシング、パイ、ケーキやカスタードといった、
 柔らかい食感のものに向く。また、パンやクッキーにも。
④1カップ(240cc)の白砂糖に対し、2/3カップのアガベで代用できる。
 ベーキングに使う場合は、他の液体類を1/3量減らすこと。


2. Brown rice syrup (玄米米飴)

①玄米を発酵させ、でんぷん質を糖質に替えた、濃い液状の甘味料。
 密度が高く、クリーム状の食感で、淡い金色。バタースコッチを思わせる穏やかな甘味を
 持つ。
②GI値25と比較的低い(複糖類50%・グルコース5%)。
 砂糖と同じカロリーであるが、甘さは半分。
③パイのフィリングやホットシリアル、ソースといった柔らかめの料理向き。
 焼くと、重く固くさせる傾向があるので、クッキーやビスコッティ、グラノラにも良い。
④1カップの白砂糖に対し、1と1/2カップで代用。他の液体類は大さじ2分減らすこと。


3. Date sugar (デーツシュガー)

①デーツを乾燥させて粉状に挽いたもの。粗い舌触りで、深くて素朴な甘味がある。
②ほとんど精製されていないので、ミネラル分が豊富であり、大さじ1につき、
 1gの繊維を含む。小さじ1が12カロリーと低いが、凝縮された蔗糖を乾燥させている為、
 血糖値を上げやすい。
③焼いたもの、例えばクラストやスパイスクッキー、ナッツブレッドなど、濃い目の色で
 柔らかい食感のものに向く。
 淡い色のケーキやクッキーなどでは、茶色の斑点のように表れる。
 液状化しないので、飲み物やプディング、パイには不向き。
④1カップの白砂糖に対し、2/3カップで代用。早く焼けて茶色に変わるので、
 調理時間が短いレシピ向き。砂糖を溶かす工程があるレシピには使えない。


4. Organic granulated sugar (オーガニック・グラニュー糖)

①未精製で、白砂糖より工程を少なくしたもの。
 遺伝子組み換えされた砂糖大根は使わない。
②基本的には白砂糖と同じカロリーとGI値だが、ミネラルを含む糖蜜を維持。
 環境に優しいものもあり、Florida Crystalsなどのブランド品はカーボンニュートラル
③白砂糖を使うものには何でも使用可。同じ食感で、色も変わらず。
 Demerara(赤ざらめ)やTurbinado organic sugar(raw sugar、部分精製糖)は、
 やや茶色がかっていて、結晶が大きめ。
④白砂糖と同量。


5. Palm sugar (パームシュガー)

①ココナッツ・パームツリーの花の液を煮出したものから作られた、ざらめ状、
 もしくは塊状の甘味料。
 ブラウンシュガーと良く似た外見で、精製糖やハチミツより素朴な味わい。
 キャラメルとメープルシロップの風味を持つ。
②GI値は35と低めで、白砂糖と同じカロリーだが、やや甘味が少ない。
③穏やかなメープル・キャラメル風味が合うものに向き、オートミールクッキーや豆料理、
 甘いマリネなど。
 簡単に溶けて、嵩を増やすので、ざらめ状のものはベーキング向き。
④1カップの白砂糖に対し、1と1/8カップで代用。


6. Stevia (ステビア)
(※ 前回記事にも少々説明があります)

①潅木から抽出。現在は葉(挽いたもの、もしくは丸ごと)からも。
 精製された液状か、パウダー状。一般的には、サプリメントコーナーで販売されている。
 生の葉は、白砂糖の60倍の甘さ。抽出されたものは150~300倍。
②南米とアジアでは、何世紀にも渡って、生のステビアの葉が安全に使われてきた。
 カロリーゼロでインシュリンレベルを上げない。
 近年、FDA(米国食品医薬品局)が、コカコーラとペプシのステビア使用の商品に対し、
 認可を与えた。
③お茶やレモネードなどの液体に向く。嵩がない為、ベーキングには注意が必要。
 クッキーやグラノラ、パイには使えるが、パンやケーキなどの、食感が大事なものには
 不向きである。
④ベーキングでは、1カップの白砂糖に対し、小さじ1のパウダー、もしくは液体で代用し、
 1/3カップ分の材料を加えること。例えば卵白、アップルソース、マッシュしたバナナ、
 パンプキンピューレ、ヨーグルトなど。そして、他の液体材料を、大さじ2分増やす。
 後味が苦くなるかもしれないので、入れすぎに注意。
 
 
7. Xylitol (キシリトール)

①以前は樺の樹皮から抽出された、白い結晶のアルコールパウダーであったが、
 現在ではコーンやベリー類、プラムから精製されている。白砂糖と似た外見と甘味。
②砂糖とは代謝が異なる為、インシュリンレベルを上げない。小さじ1につき9カロリーと、
 白砂糖の約半分。
 虫歯予防に大変効果的で、骨にも良い影響があるとされているが、犬には猛毒。
③簡単に溶けるので、飲み物類、スムージー、ソース、アイスクリームに向く。
 イーストを使うベーキングには向かないが、クイックブレッドには使用可。
④白砂糖からそのまま置き換えできる。大量にできるレシピの場合、キシリトールと
 他の自然甘味料を同量ずつ使うことで、キシリトールの持つ膨張・下剤効果を減らす
 ことができる。
*-*-*-*-*-*-*-*-*

補足として、以下の2項目について。

(1) GI値 (Glycemic Index、グリセミック指数)

食べた食材のグルコース(ブドウ糖)がどれだけ血糖値を上げるか、その値を数値化したもの。
なので、その食材にグルコースがあまり含まれない場合は、GI値は低くなりますが、それが身体に与える影響全てを計る目安とはならない、ということにご注意ください。

(2) カロリー

言われ始めたのは20年ほど前からかと思うのですが、現在では一般常識化しつつあること。
それは、「何カロリー食べるか、ということより、何を食べるか(何からカロリーを摂るか)」が問題ということであり、言い換えれば、
1カロリー当たりに含まれる栄養濃度が高い食材を食べれば、減量を可能にするばかりでなく、より健康な身体を作ることができる、
ということ。
日本のナチュラルハイジーンの第一人者、松田麻美子さんのご本で紹介されている通り、
「H(Health)=N(Nutorition)/C(Calories)」
という栄養方程式で考えなくてはならない、ということでございます。

松田さんが例として挙げられたのは、ステーキとブロッコリーの比較。
それぞれ100キロカロリー当たりの栄養価を比べると、
重量が33.4gのステーキに対して、232.6gのブロッコリーは、
たんぱく質が約2.2倍、カルシウムは約68倍、鉄分は約10.3倍、ビタミンCは約372倍。
逆に、脂肪分はわずか3%以下。
お腹が満たされて、余分な脂肪分を摂らず、必要な栄養素を与えてくれる食べ物として、どちらが優れているかは一目瞭然。

そしてもう一つ、近年一般化しつつある言葉が、「空(から)カロリー(Empty Calorie)」
カロリー以外の栄養素を含まない、すなわち糖や脂肪分で成り立っている食べ物。白砂糖や、私の愛するスナック菓子が、その典型でございます。(くそう)
例えば、人工甘味料などによって、表示カロリー数は低いが、栄養的には貧しい食品だけを摂り続けた場合、身体はどうなるか。
だからといって、人工的に栄養分を加えた、サプリ的な食品だけを摂り続けたら、どういう身体が出来上がっていくのか。

カロリー計算のみで行う痩身ダイエットは、本来のdiet=健康の為の食事法からは離れたものだ、ということを心に留めておかなくてはならないでしょう。

ただし、これは身体の満足度であって、心と頭の満足度とイコールとは限らないのですよねえ……と、奈落の底からのため息をついてしまうのでございます。ああ、しみじみ。
*-*-*-*-*-*-*-*-*

DSCF2239

現在、我が家にある甘味料。あ、あと、みりんと甘酒がありますね。
料理にもお菓子にも、以上のものでやりくりしております。

上の説明内のデーツシュガーと同様、パームシュガーも焼いたものを茶色くさせる作用が強いらしく、ぼーろもうっすら、卵白使用のマコロンに至っては、素直にとっても焦げ茶に染まってくれた、というわけでございました。いやいや、人様用じゃない、おうちおやつで良かったです。
その分、焼いている時の香りも強く、食欲をそそられますですぞ。

以前は甜菜糖を使っていたのですが、切れたのを機に、別なものを試してみようと思い立ち。
まずはデーツシュガー、次には今回のパームシュガーを使ってみている最中です。

甘味料それぞれの特徴と、それを摂った時の自分の身体の反応を元にして、上手く使い分けていけたらなあ、と思っております。基本のき。
by senrufan | 2010-02-11 06:51


<< 実現する道は様々に 尽きない思いの表し方は >>