小さな足の、大きな一歩 (9)

eunification Day (Morocco)
Independence Day (Pakistan)
Janmashtami (Hindu)

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【雑事】

前回までのプリスクール選びの延長で、ちょっと余談など。

学校について色々考えるにつれて、私が惹かれてそれなりに調べていったのが、以下の3つの学校でございました。




*-*-*-*-*-*-*-*-*

1. ホームスクール (Homeschool、Homeschooling) (Wiki

公共の学校には通わせず、家庭で子供に学習させる教育形態。親が教師となって、取り寄せた教科書や図書館を利用したり、インターネットを使ったりして、子供に学ばせていくのですね。
米国では様々な支援団体もありますし、サークルに所属してお互いに教え合ったりなど、手段は色々と用意されています。

たまたまご近所にやってらっしゃるご家庭があって、そちらと親しくなって、繋がったお友達も紹介され。どの家庭のお子さんも伸び伸びしてて礼儀正しく、とても好感を持ちました。
親御さん達が熱心なクリスチャンで、宗教的観点からも、できる限りご自分の手で子供に教育を、というサークルでありました。

学校選びに際して、大人数のところか、少人数制を選ぶか、というのもポイントの一つですが。
それでもある程度の人数の中でもまれなければ、協調性は養われない、と考えがちな私達。
ちょうどその頃、新聞で見かけた記事で、ホームスクール出身の子供達の協調性について書かれたものを読みました。
公立校・私立校・軍隊・ホームスクール、それぞれで教育を受けた子供達が、社会に出た後、どれほどの協調性を示したか、という追跡調査の結果でしたが、なんとトップはホームスクーラー、だったのであります。

適度なストレスは必要ですが、それが多い場合は害となる。
色々と考えさせられた結果でありました。


2. サマーヒル・スクール (Summerhill school) (Wiki

A. S. Neilによって設立された、英国にある全寮制のフリースクールです。
「先生」と呼ばれる大人を持たず、年齢別に分かれず、子供達が担任とクラスを選び、校則や行事は全校集会で決められる。授業は体験学習で進められ、出席するかしないかは本人にまかせられる。……こんな形で運営されるため、「世界で一番自由な学校」とも呼ばれます。
ニイルの理論にのっとり、堀真一郎氏が日本で開いたのは、「きのくに子どもの村学園」でした。

なにげなくこちらの図書館で借りた日本の本が、たまたまサマーヒルに子供を行かせたお母さんの手記で、おかげでこの学校を知ることができました。
子供にどこまで「自由」を与えるべきか、悩むことの多かったその頃、非常に興味を惹かれて、何冊か本を読みました。


3. ウォルドーフ・スクール (Waldorf shool) (Wiki

たびたび書いておりますが、上の2つの学校に加えて、シュタイナー教育にも関心を持っておりました。
近隣の市にWaldorf schoolがあり、そちらの在校生の親御さん達とも、幸い繋がりを持つことができ、あれこれと教わった数々の事柄は、今でも宝物の一部です。

正に当の学校に、日本から短期間子供を行かせた方が、その時の体験記をに著され、ベストセラーになりまして。以来、”シュタイナー方式”が日本でも人気が高まったのは、大変ありがたいことでありますが。
正直申し上げれば、あの本はシュタイナー教育の一部、それもかなり表面的な部分のみに反応されていたように思われます……あの本を読んでシュタイナーに惹かれて、子供さんをそちらに向かわせると、こんなはずじゃなかった、というアレコレに遭遇されるような気が。

私自身がシュタイナーに惹かれるきっかけになった本は、子安美智子さんの書かれたものでした。
シュタイナーの理論について、系統だってまとめてくださった講義録もあり、大変わかりやすい内容です。
ウォルドーフという学校は、あくまでシュタイナーが打ち立てた「人間論」を、教育の場で実践する為の場であって、その後ろに広がるシュタイナー思想は、その何倍もの規模と奥行きを持つものでございます。

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以上のような学校に惹かれた理由としては、
「子供の意志」と「自由」の線引きについて、いつも悩んでいたから、であります。
これは、お嬢だから、ということではなく、どのお母さん方も悩まれることではないか、と思うのですが。(期待)

子供の自己主張がはっきりしてくるにつれ、どこまで許し、どこを許さないか。甘やかしと放任のラインは、私のような未熟な親にとって、常に五里霧中のテーマであります。
「躾」についての線引きは、特に各家庭によって異なるものなので、他の人からの意見も多様。それに一々従えば振り回されるし、かといってアドバイスを求めなければ、自分自身の首を絞めることになりかねず。

上記の学校群について、夢中になって本やネット記事に読みふけったのも、何か手がかりはないか、という切実感だけでなく、こういった学校を選んだ方が良いのか、という現実的な問題も抱えていたわけです。

結局我が家は、いずれ日本に帰るのだから、その時に適応できずに苦労する危険は極力避けるべき、という旦那の意見で、一般校を選択しましたが。
あの時に、あちらを選んでいたら、という思いは、今でも心のどこかに在ります。


たった一人の子育て、しかもたった10数年しか経験がない私ですが。
それでも、そんな乏しい経験を通じて思うのは、どんなやり方や道を選ぼうと、それが一貫すること・最後まで貫くことによってこそ意味がある、ということでございます。

躾をする上で、親がどっちつかずの態度を示していれば、子供は敏感にそれを察します。
それは、「日本語の維持」についてまとめた時にも書きましたように、頑なではなくとも、揺るがない方針を見せるのは、親の仕事の一つであって。
いまだにふらふらと、気分にも左右されるような私には、反省することばかりでございます……

親として、子供の環境選びは大変に重要な仕事でありますが。
どんなに調べて、どんなに努力してその環境に入れたとしても、結局はそこで出会う人や自身によることころが大きいので。
最後に言えるのは、どんな環境にいても、そこで揺らがない自分でいられるような人間になれるよう、家庭で基本の躾をしていくしかない、ということでしょうか。

バイリンガルになってほしい、と子供に願ったのは、英語ができれば将来有利、という考えからでは決してなく。
人間形成において、現地校がとても大事な場であったので、そこに居る為には英語が必要だったから。

言葉というものは、ある目的を達する為の「道具」の一つである、ということを忘れてはいけないと思うのです。
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by senrufan | 2009-08-14 12:46 | Trackback | Comments(8)
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Commented by マミィ at 2009-08-16 16:51 x
ホームスクール出身者たちが一番協調性が高いというのは本当に興味深いですね。その追跡調査というのがどういうものであったかも気になるところですねー。

「協調性」というものが存在しないフランス、子供の教育について国をあげてもっと真剣に考えたら?と思うことしばしばです。不満な時にはストをしてごねればそれが通るという国・・・一貫性に欠けるので救いようがありませんねー。
Commented by こっぺ at 2009-08-17 02:00 x
いろんな学校で子育てされている方と交流が持てるってすばらしいですね。さすがMiyukiさんです。私は努力してみたものの、なかなかそういう機会に出会えません。出不精だから。くすん。

子供の自己主張がはっきりしてくるにつれ、どこまで許し、どこを許さないか。
いまほんとうに、その訓練をしている真っ最中です。子供がきいきいしてるとこちらもカッとなって怒ってしまったり、ああメンドクサイと流してあとで反省したり。何か助けがほしいといろいろ本を読んでいるところです。こうやって私も育自しつづけるんだろうなあって思います。

Commented by ayumin_moo at 2009-08-17 08:06
学校選びは親にとって本当に難しい選択ですね。
同じ親から生まれても、兄弟姉妹の性格によって合う合わないがあるだろうし。。。
でも、親自身が一貫性を持つというのは、本当に大切なことなのだろうなと思います。
そして、やはり家庭での教育・躾が軸になるということにも納得。
と、理解したところで実行するのはまた難しいのだろうなぁ。
教育に興味はあるものの、今は子供がいないのでまだ具体的には考えられませんが、
いつか子供を持ったら、この特集をじっくり読み返し、参考にさせていただこうと思います。
Commented by peartree22 at 2009-08-17 08:53
お久しぶりです。私も幼稚園選びの段階で、あれこれ悩みましたから、すごく親近感を持ってこの日記、読みました。
自己主張がかなり強い娘に対して、本当に日々、「どこまで許すか、見守るか」が私の鍛錬にもなっています(笑)。
余裕がある時はできて、余裕がない時は・・の一貫性のないしつけになっているようで、迷いばかりです。
シュタイナー教育や自由の森学園、モンテッソーリ教育などの書物も読み、結局娘がお友達ができた普通の幼稚園に行くことになったのですが。
今は楽しくお友達と遊び、私もそのお母さんたちと楽しく過ごしているので、「これでよかった」とようやく思えるようになりました。
どの環境にいても、家庭と言う根は同じなので、その家庭の根をしっかりさせて、Miyukiさんがおっしゃるように「どこにいても揺らがない自分でいられるように」と思います。

が、それが一番問題だったりして、私の場合・・・。
私の人間形成が先立ったりします。とほほ・・・。
Commented by Miyuki at 2009-08-17 12:26 x
*マミィさん
ほんとに、なんでこの記事をとっておかなかったんだ自分ー!って感じでしたよ。ネットで読んだんだったかなー。

ごねれば通る、それは日本以外の国では、ある程度当たり前のことなのかもしれませんが、それでも欧米で尊敬されている人はそうじゃないですものね。でも親がそういう常識で育っている以上、子供にもそれを伝えていくので、それが一番難しいところでございますなあ。(ため息)
Commented by Miyuki at 2009-08-17 12:29 x
*こっぺさん
出不精でいけば、私も負けません(いばるな) ただただ、運が良かったおかげでございます~。あ、あとこのエリアって狭いですから、誰か彼かのつながりのおかげでもありました。

育自、正にその通りですね! 私なぞ、いまだに母親年齢3歳レベル(涙) 結局、自分がどんと構えてないといけないので、自分の気晴らしややりがいを見つけていくことが大事。そして、愚痴や悩みをこぼせる場所を、ですね!
Commented by Miyuki at 2009-08-17 12:33 x
*ayuminさん
そうそう、うちは一人っ子でこれだけ悩んだんですから、2人3人といらっしゃるお母さんのご苦労は、3倍5倍だと思うです。
親の一貫性はつくづく大事ですね~。でも親自身も、やってみて初めてわかることばかりなので、これが未熟モノには難しくて(泣) 先輩方の体験談や本は、振り回されない限りはとても良い手がかりになりますので、ayuminさんもお友達やご家族にいっぱい頼ってくださいね!
Commented by Miyuki at 2009-08-17 12:38 x
*ちゃんさま
お嬢さまの幼稚園選び、本当によく考えられて選ばれたなあ、と拝見しておりました。
余裕がある時、そうそう、そうなっちゃうんですよねー。自分が何かたまってる時だと、つい怒鳴っちゃったり。これだけの年になっても、まだそんなことをやっております、とほほ。
これで良かったと思えること、すばらしいです! その気持ちがまたお嬢さんに伝わるので、ますます幼稚園が楽しくなること間違いなしです。
どういう親になりたいかにもよりますが、私の場合は常に「親」でありたいと望んだので、自分自身が常に上に立って、頼れる存在でなければいけないと、どこかで焦りを感じてました。娘が大きくなって、頼もしさを感じさせてくれるようになって、それは随分と楽になりましたが、それでも彼女が帰ることができる場所ではありたいと思うので……やっぱり切磋琢磨、しかないのですね~。うーん、無理っ(殴)


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