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彼の国は長靴の形にて

National Day (Kuwait)
People's Power Day (Philippines)
Ash Wednesday (Christian)


先日見かけた、車のスティッカー。
「Well-behaved women seldom make history」

憎まれっ子、世にはばかる。
とは、まこと賢人の言葉でありますな。

* * * * *

【買い物】
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お菓子なら何でも好きだけど。生菓子より、さらに焼き菓子が好き。
クッキーやビスケット、スコーンにマフィン、どれでもそれだけでご飯3杯いけます。嘘です。

その中でも、と言われれば、ビスコッティが大好きで。前に書いた通り、自分でも時々作るぐらい。
でも家で作るのは、どうしてもヴィーガン仕様になっちゃって。だって、卵もバターもない我が家では、わざわざその為に材料を買ったら、その後で持て余すこと間違いないし。
なので、市販のもので美味しいものがあれば、と、たまーに買ってみたりしてたのだ。

そんな時、iloveapplesさんのブログで、ビスコッティの美味しい店が紹介されててね。
こちらを拝見して、文字通り、心を鷲摑みにされてしまってどうしよう。(どきどき)
我が家からも比較的近い場所だし、これはもう行くしかないだろう。なになに、土曜限定でフォカッチャやカノーリの販売もあるのか、ならば土曜に襲撃だ。(戦争か)




フォカッチャはあらかじめオーダーしておかないとすぐ売り切れる、なんて脅かし文句を聞いたので、10時の開店間もない頃に行ってみた。
すでに店内には、4組ほどのお客さん。中には事前オーダーしたものを取りに来た方もいらっしゃる。皆さん、常連さんと見たぞ。

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まさか予約分だけで売り切れだったら、という不安が一瞬よぎるも、窓際に積まれた、フォカッチャを包んだ袋を見て一安心。良かった、大丈夫っぽいね。

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それにしても、店内の可愛らしいこと。
片側の壁にはビスコッティ、反対側にはパネトーネやグリッシーニ、タルトなどがずらりと並んだ白い棚。
奥には、これまたお菓子や壷がてんこ盛りに飾られたチェストまで。とっても女性ウケしそうな感じ。

が、応対してくれるのは、内装に似合ったれでぃではなくて、おヒゲも立派なゴツいおじさまで。お声も太くていらっしゃる。
イタリア~ンににぎやかな応対かと思えば、意外とざっくばらんでぶっきらぼう。

しかも、はしゃぎながら写真を撮っていた私に向かって、
「その写真はだめだ」
と、きっぱり怖めの声で言われた時には、マジで心臓はねました。

「だめですか、すみません」
「そうだ、だってそれじゃ間違ってるじゃないか」
「……は、えーと、間違ってるって何が」
「私が写ってないからだ!(どーん!)」

店内のお客さん達、大爆笑。
それでは、とばかりにカメラを構えた私に向かって、にっこりポーズを決めてくれた、大変お茶目なおじさまだった。

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そのおじさんが構えているカウンターに、どん、と置かれたビスコッティの試食品。山盛りな上に数種類混ぜられているので、お試しに絶好じゃないか。
日本人の常として、ちょっと遠慮してたら、周りのお客さん達ったら躊躇なく取る取る、中にはわしづかみの人もいて。よっしゃ、ならば我らも参戦だ。(だから戦争かよ)

食べてみたビスコッティは、固くてしっかり焼いてあるのに、噛めば快くさくさくと。
うん、これは美味しい、確かに美味しい。個人的にはもう少し固いのでも食べ応えがあって良いけど、これぐらいの方が一般ウケする、絶対。
シンプルにアニスだけのも美味しいし、レモンやオレンジのも、人工っぽさのない良い味わい。チョコレート付きのとそうでないのと、どちらもあるのがまたお得。

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常連のお客さん達は、さっさと買うものを選んで、おじさんがレジを打ってるけど。初訪問の我々は、あれも欲しい、これも欲しい、どの味を選ぼうか、と悩んで迷って、熊のようにうろうろ右往左往。
ようやく注文を決めた時には、あら、すでに店内は私達だけですか。

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ビスコッティ一袋、フォカッチャ、カノーリ、アマレッティにパネトーネ。あ、この面白い形のパン菓子もお願いします。
カノーリを取りに、隣の厨房に入っていったおじさまを目で追えば、お、あの台の上に並んでいるのはフォカッチャだね。フルサイズはやっぱり大きいなあ。

選んだ品を並べて、暗算を始めるおじさま。
「6ドル、5ドル、3ドル、10ドル、……やり直し、えーと6ドル、3ドル、これが5ドルで、えーと、ああもう、全部で20ドルだ
そんなに安いはずがないでしょう。

しかし、いいんだ、いいんだ、と手で合図するおじさまのせっかくのご好意、それではお言葉に甘えて、と20ドル札を差し出した。そう、ここは現金オンリーなのだね。
せめてもの気持ちと思って、チップ入れに数ドル入れておいたよ。

サンプルのビスコッティを前に、すごく美味しかったと言えば、おじさんは嬉しそうににこにこして、じゃあもっと持って行きなさい、ほらほら遠慮しないで、と紙袋まで手渡してくれて。
いやもう、おじさん大好きだ。帰ってから食べるのが楽しみだ。
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帰ってからキッチンでお披露目&味見会。
早速買ってきたWhite Chocolate Dipped Lemon Biscottiを食べながら、一つ一つ開封だ。

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まずはTomato Sauce & Green Onion Focaccia。大きさは30×22.5cm。
こんなおっきいの、食べ切るのにどれぐらいかかるかなあ、と思いながらナイフを入れてみたら、すごくふかっ、と柔らかい。

彼の国は長靴の形にて_b0059565_712394.jpg食べてみたら、うん、とってもふかふかで、ふしゅっ、と噛めて飲み込めちゃう。
最近もちもちブレッドばかりの私には、ちょっと物足りなさもあったけど、柔らかパンが好きな人には嬉しいだろうなあ、これ。

難点は、我々にはトマトソースが甘めだったこと。
今度はもっとおかずちっくなものを試してみよう。

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cannoliって小説で何回か見かけて、数回食べたこともあるけれど、一体どういうものが”正統”なのか、全然わかってない。
真っ赤なチェリーのせいで、どうしてもジャンクっぽい印象がぬぐいきれず、でも絶対上等バージョンがあるはず、と思うのだけど。

こちらのカノーリは、今まで食べた中では相当上位。生地がこれまた固い薄焼きクッキーのようで、さくっと、ほろっと、心地良い。
中にたっぷり詰められたクリームも、甘さ控え目で嬉しいよ。


彼の国は長靴の形にて_b0059565_714934.jpgお嬢がねだったAmaretti Ganache Cookieは、卵白と砂糖で軽めに仕上げたクッキーで、中にはアーモンドペースト入り。その反面が、がっつりとチョコレートコーティング。
見るからに甘そうなこれを、お嬢がぱっくりと食べて、「濃厚ー!」と一叫び。おお、中にもチョコレート入ってるんだこれ。

セミスイートのチョコの層が半分ぐらい占めるこのクッキー、私はさすがに無理だったけど、チョコレート好きなお嬢は大喜び。
確かにアーモンドペーストとクッキーの軽さで、チョコの重さがやわらげられていて、濃厚であっても食べ進められる仕様なんだね。

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芸術!と思ってしまった見かけのパン菓子は、Sfogliatelleというんだって。「沢山の葉っぱ、もしくはレイヤー」という意味だと言われて納得。
すごいなあ、どうやって作るんだろうこれ。

彼の国は長靴の形にて_b0059565_714495.jpgまずは外側がかなり固くて驚いて。クッキーでもパイでもなくて、うーん、すっごく固くなった春巻の皮?
しかし、中身は柔らかい。オレンジ風味のリコッタチーズに、シトロンの果肉入り。

私はアマレッティよりこっちが気に入ったけど、お嬢はイマイチだったそう。
どうでもいいけどこの見かけ、「ナウシカ」の王蟲を思い出すのは私だけか(ヤメロ)

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最後は、旦那の好物のPanettone。クリスマス時期に、スーパーに沢山並ぶけど、この店では一年中、というのがありがたい。

お菓子のようにふわふわしてるけど、同時にしっかり「パン」であるパネトーネは、甘いレーズンやドライフルーツがいっぱい詰まってて。お酒の香りもほんのりと。
ドライフルーツ好きな私は勿論、旦那もお嬢も気に入った。大・小の2サイズで売られていたのもグッドだったね。


フォカッチャはまだまだ沢山種類があるし、ラビオリなんてものも売ってるし。
ビスコッティは全種類制覇したいし、これはまた行くしかないだろう。
スケジュールが変わって、土曜の午前中がフリーになったお嬢と一緒に、また近いうちに再訪だ。
今度はおじさん、幾らにしてくれるかなあ。(汚れた願望)
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La Biscotteria
2747 El Camino Real
Redwood City, CA 94061
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翌日の日曜日は、お嬢が友達のバースディによばれて、夜まで家におらず。
その翌日の月曜日は祝日で、旦那も休みだったので、まずは3人で、近所に新しくオープンしたカフェに繰り出したのであった。
by senrufan | 2009-02-25 06:42


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